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Archive for 2011

電子書籍によって変化すること

17 2月

AndroidやiPhoneの登場により日本人の読書スタイルは今後変わってくると思います。スマートフォンで本を読むことに慣れてしまうと戻って来れなくなると思うんですよね。情報の整理、読みやすさ、携帯性、保管性において紙の本は電子書籍にどう足掻いても勝てないです。そして紙の書籍が電子書籍に上回るのは、物である物を所有する気持ち、美術センスの高さ、交換性、そして現時点では人間の認識度の高さ、そして販路だと思います。本を読んだことがない人はいないですし、売り買いするための書店が全国に散らばっています。

 

また電子書籍によって情報の送り手も変化します。出版するための敷居が低くなったことです。出版業界の慣習を考えることなく本を出版することが出来る。取次のことも書店のことも考える必要がない。私のように出版社を立ち上げて電子書籍を作る会社は今後増えるのではないかと予測しています。

 

敷居が低くなるということは次に予測されるのはコンテンツの質の低下です。日本語の乱れや内容の薄さなどが紙の業界でも言われていますが、それよりもさらに上回る速度で質の低下が加速するように思われます。現時点でも無料で公開したり、頒布できる電子書籍サイトの多くで、このような現象が起きています。

 

どうすれば歯止めを掛けることができるのか? いえそうではなく、どうすれば質の向上にベクトルの向きを変えることが出来るのか、それをこれから私たちは考えなくてはいけないのではないでしょうか。質の高い作品であれば必ずファンが付きます。この著作で何を伝えたいのか、どれだけ心を揺さ振ったか、それがこれまで以上に問われることになるはずです。また電子書籍によって妥当が報酬を実現することが出来れば(あるいはそれを目標としてモチベーションを維持することが出来れば)、制作者側もプライドを持つことが出来、さらに質の高い作品作りに励むことが出来ます。そのためには文学性の復興といいますか、電子書籍時代に移り変わるからこそ、ルネッサンス的な視点を持つ必要があるんじゃないかと思っています。子供の玩具のように読んで終わりではなく、ずっとスマートフォンにいれて、持ち歩きたいと思わせるような作品であれば、その人の他の作品も読んでみたいと思うはずなわけで。今まではプロモーションや装幀や帯や販路で勝負できたものが、作品のみでしか勝負できなくなる、そんな状況が今後生まれるんじゃないかと思っています。私は電子書籍は好期であると捉えています。IT業界も長い時代を経てようやくコンテンツ主義に移り変わる、そんな予感が胎動のように聞こえてくるのです。

 

 

デベロッパ登録をする。扱う作品について考えていること

15 2月

 

 

本日はiPhoneとAndroidアプリの開発者登録をしていました。
iPhoneの方は法人確認が必要と言うことで途中までしか行っていませんので後日Appleから連絡が来るのをまって最終的に手続を済ませておきたいと思います。このあとはアプリ制作と、申請を済ませればアプリを販売していくことになります。

 

同時にアプリ化の作業を少しずつ進めておりまして、弊社が昨年刊行した『神様がくれた背番号』をまずは電子書籍アプリ化していく予定なのですが、それ以外にも多くの作品を順次アプリ化していけたらいいなと考えています。ちなみに左上の画像はアプリにはさむためのの画像です。

ということで早いですが話しておこうと思います。カエデブックスは今後、アマチュアの方の作品を募集し、作者負担ゼロでアプリ化していく予定です。

なおアプリ化する作品は、短編や中編の小説をメインに扱っていこうと思っています。もちろん販売する前から方針を限定していくつもりはなく漫画にも強い関心を持っています。といっても普通の漫画ではなく商業誌ではあまり見受けられないようなオルタナティブで文学的な要素を持った作品と言いますか、個性のある漫画作品なら、コンテンツサイトとしてカエデブックスの特色を出せるんじゃないかなと思っています。やっぱり漫画に関しては大手の方が強く普通にやって勝算があるとは到底思えませんしね。

もちろん小説もカエデブックスとしての特色を出していくつもりです。どうやってカエデブックスのカラーを出していくか、大事だと思っています。一つ目は、クオリティ。やはり文章力、構成力、企画力、ストーリーテリングのセンスは作家としてもっとも大事な要素です。二つ目は独自性。紙書籍や他の出版社が扱っていない作品を発掘し紹介すること。商業性はやっぱり文学性もとりいれていきたいので。三つ目は敷居の低さ。値段、文量、デビューのしやすさ。やっぱり安心して参加できる仕組み作りが大事なんだろうなと思っています。

 

あ、だからといって今作品は送ってこないでくださいね。また上記の件についてのお問い合わせにも応じられませんのであしからず。ではこの辺で失礼します。

 

Androidによって電子書籍業界が絶対に盛り上がる理由

12 2月

 

 

やっぱり2011年はアンドロイドの年になるんだろうなと私は考えています。ソフトバンクのiPhoneに煮え湯を飲まされていたdocomoやKDDIがようやく巻き返しに掛かりandroidスマートフォンを次々と登場させています。

 

それで見出しの理由ですが、電子書籍におけるAndroidの魅力はやはりAndroidマーケットとdocomoマーケットの連携になると思います。市場として機能しだしたことです。電子書籍をクレジットカードではなく月々の使用料と同時に請求できますし、将来性を考えたときiPhoneの比ではなくなります。iPhoneの場合やはり端末限定のため、ユーザー数というスケールメリットの恩恵が受けにくいという問題がありましたが、徐々にそれは改善していくと思っています。あと一企業の趨勢に依存してしまうという状況も回避できますから安心です。将来性が決して良いとは言えません。今季のユニクロみたいに、毎年ヒットを作り続けるのは容易ではありません。もしヒットが出なければその影響をもろに受けるのもiPhoneアプリの潜在的な問題でした。リスクヘッジとしてもAndroidマーケットへの期待は大きくなる一方です。

 

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電子書籍のアプリ化。

07 2月

最近、電子書籍に興味が移っているたにぐちです。スマートフォン、特にandroidの盛り上がりは凄まじいですね。docomoさんやauさんなど意気込みが凄いです。

ということでカエデブックスでも電子書籍アプリを作っていっこうと思っています。それで電子書籍アプリを作る方法を探してみると『小説家の花道』や『androbook』や『サルにもできるiPhone同人誌の作り方』など低コストで出来る方法が揃ってきたように思います。アマチュア作家さんが電子書籍化する間口が徐々に広がっているように感じます。ちなみに導入を本気で考えていたのですが、今は一歩引いて考え直してます。あ、サービスが悪いと言うわけではなく、コンセプトの違いです。『androbook』『サルにもできるiPhone同人誌の作り方』は漫画家さん用のサービスなんですよね。詳しくはサイトでそれぞれのサービス見てもらうとして、画像形式ってところがやっぱりネックかなと。画像だとなにが問題化というと、容量が重くなる。たしか20MB以上は3G回線でダウンロード出来なくて、WiFi経由でしかダウンロード出来なかった気がします。『パンドラの匣』を全部画像化してみたら60MBを超えてしまいました。とてもこれではちょっと厳しいなって思いまして。理想はPDFファイルで販売できるのが一番なんですけどね。とりあえず目処は立っていまして今は上記のサービス以外で考えています。余談ですが『小説家の花道』さんを候補から外させていただいたのはコンセプトが競合しているからです。ちなみにカエデブックスもとい楓出版の理念は、アマチュア作家のプロへの道筋を作ることです。もちろん収益化もその中に含まれます)

iPhoneよりもandroidの方が市場としてこれから大きくなっていく可能性があると思っています。やっぱりキャリアの規模が違いますからね。ガラケーからスマートフォンに完全に切り替わるのに何年くらい掛かるのか分からないけれど、スマートフォンがエンターテインメント路線に特化していくのは間違いないです。andromarketにアプリ申請をしてドコモマーケットに登録するところまでが今回のプロジェクトのゴールです。もちろん私はiPhoneユーザーだし、今回の登録のためにiMacも買ったので(もはやアップル信者ですね)iPhoneアプリ登録も同時進行で行います。なんだか面白くなってきましたよ。

 

 

太宰治『人間失格』iNovel形式にて電子書籍化

04 2月

代表作ですね。太宰治作第四弾『人間失格』です。


    はしがき

 私は、その男の写真を三葉、見たことがある。
 一葉は、その男の、幼年時代、とでも言うべきであろうか、十歳前後かと推定される頃の写真であって、その子供が大勢の女のひとに取りかこまれ、(それは、その子供の姉たち、妹たち、それから、従姉妹たちかと想像される)庭園の池のほとりに、荒い縞の袴をはいて立ち、首を三十度ほど左に傾け、醜く笑っている写真である。醜く? けれども、鈍い人たち(つまり、美醜などに関心を持たぬ人たち)は、面白くも何とも無いような顔をして、
「可愛い坊ちゃんですね」
 といい加減なお世辞を言っても、まんざら空お世辞に聞えないくらいの、謂わば通俗の「可愛らしさ」みたいな影もその子供の笑顔に無いわけではないのだが、しかし、いささかでも、美醜に就いての訓練を経て来たひとなら、ひとめ見てすぐ、
「なんて、いやな子供だ」
 と頗る不快そうに呟き、毛虫でも払いのける時のような手つきで、その写真をほうり投げるかも知れない。

※本文より冒頭部分を引用 

 

 

 

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