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AndroidがiPhoneを超えた日、角川とグリーの提携について思うこと

26 2月

最近の電子書籍関連の話題、ニュースを中心に私が思ったことを書いてみましたよ。

 

 

電子書籍が売れなさすぎてヤバイ 紙書籍の半分以下の値段なのにDL数20部

(アルファルファモザイク)

そもそも雑誌が電子書籍に向いているのか、ってところからはじめないといけないと思います。雑誌だとiPadを持たなきゃいけないってところからはじまるのだとしたら、私は流行らないと思いますけどね。持っている人少ないというか、何十万人単位のマーケットで競争する気になんてとてもじゃないけどなれないです。せめて一〇〇万人ぐらいのマーケットに育ってくれないと参入したいとは思えない。だいたい日本人の大部分はサラリーマンなわけで、職場に持って行くことなど考えたとき、あんな大きくちゃ恥ずかしくて出せないと思うんですよね。「おまえiPadなんか持ってんのかよ。俺にも見せろよ」なんて中学生のイジメみたいなことは始まらないと思いますが、それに近い周りの視線は集めてしまいそうです。たぶんiPadなどのタブレット端末は、自炊派とかデザイン系の人たちに愛好される端末になるんじゃないかなと。AppleがiPad2、3で、爆発的なヒットを飛ばしてくれるなら別ですが(その可能性は否定しません)。自炊したPDFで過去の電子書籍化し損なったコンテンツを読むためのものという感じがしますね。ただ流行らないといっても、iPadのような端末はどうしても電子書籍をはじめる上で必要なんです。いくらiPhoneだけで十分まかなえるといってもね。それは消費者のためというよりも出版社のためだったりします。これがあれば雑誌でも電子書籍に出来ますよ。でもiPhone用にも本を作ってくださいね。って感じで。コンテンツホルダーに注目してもらうという意味で。

で、電子書籍端末の本命は、再三このブログでも言っているようにスマートフォンです。三、四年のうちにスマートフォン経由でない電子書籍系のモールは全て転換を迫られるでしょう。

スマートフォン電子書籍と雑誌との相性なんですが、悪くもないですが特別良いというわけでもありません。むしろ悪いかなと思うくらい。そもそも電子書籍は低コストが売りなのに、それを分かってないというか。雑誌はコストが半端ないってことはわかりきったことで。雑誌なら売れても売れなくても、とりあえず配本すれば取次からお金が入ってきてそれでやりくりできるけれど(正確には6ヶ月後だけど、でも自転車操業的にお金は入ってくる)、実売分の売上げのみしか入ってこず、しかもお金が入ってくるのが3ヶ月後(だったような気がする)だと、電子書籍だけで雑誌を発展させるビジネスモデルを成り立たせるのは到底無理だろうなということが見えてくるわけです。電子書籍のみで自律運営できない時点でそれが事業モデルとして間違っていることが見えるわけです。ホリエモンのメルマガがありますけど、ビッグネームで人を集めて、それから寄稿者を集めて雑誌化するのはありかもしれないけど、それじゃコストを上げるだけなのでで意味ないか。

雑誌自体が、ブログ文化の台頭によって価値を見いだせてないという根本的な問題もありますが、今までのプロモーションが効果を発しないということは、そういう面にも直視しておくべきだと思います。「終わコン」なんて言葉がありますが、雑誌もそのゾーンに片足突っ込んでいると思います。事実私は、コレクションできない雑誌はなるべく買わないようにしています。連載の完結していない途中からの漫画雑誌をわざわざ電子書籍で読みたいと思うか。やるなら創刊号から定期購読前提(バックナンバー販売もありから)ではじめないと、漫画家さん納得しないんじゃないかな。

でもそれをやっちゃうと漫画家さんが困りますよね。バックナンバーが売れているんだからその分もよこせって当然なりますよね。まあしかし漫画雑誌によって作家さんを大事にしない風潮が出てきたのも事実なわけでして、一対一で向き合う単行本販売に出版業界に回帰できるのだとしたら、もしかしたら電子書籍化によって一番恩恵を受けるのは漫画家、作家さん達なのかもしれません。そして作家は出版社や雑誌名ではなく、売ってくれる編集者のところに集まるようになるんじゃないかなと思います。でもし、電子書籍が成功すれば、有能な編集者は退職して自分で出版社を開業しちゃうんじゃないかなと思いました。

 

「台風の目に入らなければ」 角川とGREEが提携、「ソーシャル電子書籍」配信

(ITmedia)

はじめられたのが角川歴彦氏ということで先見の明があるというか電子書籍業界のこと、ご自身の会社のこと(コンテンツホルダーの立場)をよく分かっていらっしゃいます。電子書籍の一翼がこれで一つ埋まってしまったのかなという感じですね。角川としてはグリーの会員数を市場として活用できますし、グリーとしても電子書籍との提携はイメージアップに繋がりますし、携帯電話もスマートフォンに切り替わる方向が加速し、今までの携帯ゲームからの事業転換を迫られてもいるわけですから両者ともに願ったりでしょう。角川とグリーのどちらが主導権を握るかが今後の注目の的になると思われました。モバゲーやmixiもおそらく追随してくるでしょう。どこと提携するのかも気になりますね。今後どんな事業展開をしてくるのか分かりませんが、目を離せないと思います。というか、角川さんが独自にソーシャルメディア産業を立ち上げればいいのにと思いましたけどね。

 

【速報】NTTドコモ、2011年度に20機種以上のスマートフォンを発売へ

(GIGAZINE)

docomoの新作発表会でのコメントです。スマートフォンの怒濤の波状攻撃が始まりました。docomoの並々ならぬ意気込みを感じます。

ちなみに私はMEDIASが買いなのかなと思われました。今まで問題視されていたUI性能が動画を見る限り改善されているので、これでAndroidがiPhoneを超えたと言っていいんじゃないかなと思います。

(その動画のある記事はこちら

これが直接電子書籍産業と結び付く訳じゃありませんが、1年後にはかつてない規模の電子書籍マーケットが出来上がるわけですから、無視できないことなのです。アルファルファの記事のコメント欄を読んで感じたのですが、まだまだスマートフォンと電子書籍の相性の良さは浸透されていないのだなと感じております。マーケットだけではなく、読みやすさ、販路、耐久性、バックアップの問題(保存性)、携帯性、操作の簡便性、嗜好性など、スマートフォンにすることであらゆる面で書籍を上回るんですけどね。本を多く買う人ほど電子書籍の恩恵を受けるのです。本当に紙にあって電子書籍にないものは品揃えだけなんじゃないかな。電子書籍が本格的にスタートするのは、スマートフォンがある程度、国民全体に普及し終わった、1年後からだと思っています。

 

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