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モリサワのMCBOOKについて、iPhone、Androidの電子書籍アプリの原稿募集について

21 2月

 

 

ただいま弊社ではAndroidとiPhone用の電子書籍アプリを作成しております。MCBOOKというヒラギノなどのフォントで有名なモリサワさんのツールを使って制作しているのですが、iPhoneではすでに定評のある電子書籍ツールとなっています。iTunesで同期すればMACやiPadで見られるようになりますし、Android対応アプリも可能になります。

 

ただこうやって弊社のように電子書籍アプリを製作する会社が増えて消え、電子書籍アプリの流通量が増えてくるとBuckupの問題が発生しそうですね。つい先日私のノートPCが修理に戻ってきたのですが、バックアップをとていなかったので、えらいことに…、は幸いならなかったのですが(バックアップはしてないがデータは移動してあったので)、設定やらインストールしたものが消えてしまって今一から組み立てなおしてます。でまあ、そういった状況が考えられるわけでして、iDiskのようにクラウド上にストレージしておくなど事前の対応が必要かなと思いました。デバイスを粉末しました、データは戻ってきません、では消費者は納得しない状況がやってくるでしょう。この問題が将来的な債務となってキャリア業者やデバイス提供者を苦しめることにもなりかねないわけで次の対応が求められるでしょう。壊れないデバイスなんてないですからね。保険という意味でデータのバックアップをどうしていくのか、考えなければならないときがやってくると思います。そして十年後、二十年後を想像すると、そういった面で個人個人のデータの保有量にずいぶん差が生まれるのではないかと想像しています。たとえば先代が購入したデータは財産として引き継いでいいものなのか、そういった問題が発生してくるかもしれませんし、データ長者なんて言葉も生まれてくるかもしれません。ただ一つだけ分かっていることは、一度購入したデータ型コンテンツは今後買われることはなくなる(商品価値を失う)。また流出したデータも変われなくなる、そういった問題がやがて顕在してくるのかもしれません。

 

閑話休題。いちおうそのMCBOOKの話に戻りますがこのツールは大変優秀でしてルビや画像の挿入はもちろん、今はiPhoneのみですが動画や音声の挿入も可能だそうです。、電子書籍の定義がこれから変わってくるみたいですね。チャンスがあれば弊社でも取り入れてみたいなと思っています。いちおう大手の出版社はだいたいこのツールを使っているみたいで、それが弊社の選択の決め手になりましたが、私の中では数ある電子書籍の中で一番自由度が高く将来性が高く感じられたのです。

以下モリサワMCBOOKの魅力を簡単に書いておこうと思います。
モリサワさんノMCBOOKの導入を検討されている出版社がいらっしゃいましたらご参考ください。

  • 導入(イニシャル)コストが安いこと。(ただし別途WindowsPC(32bit)やiMacを二台用意しなきゃいけないのとAndroidとiOSのデベロッパ費用が掛かりますけど。まあ非常に参入しやすいのではないかなと思っております。
  • 掛け率も5%と一定、明朗会計であること。
  • inDesignやPDFからデータをインポート可能なこと (まあこれは使えるかというと、そんなことはありませんでして、一から作った方が早かったですけどね。)
  • 操作が非常に簡単なこと。たぶん1週間でだいたいの操作は憶えられると思います。
  • ルビ、縦中横が標準で、辞書機能との連携が可能であること

詳しくはこちらをどうぞ

モリサワの回しものかと思われそうですが、非常に優れたツールであることは間違いないと思います。
iPhoneやAndroidの電子書籍アプリに対して一早い対応をしていることも先見性を表していますし、個々の機能をみても無駄を削った非常に練られた事業展開をされていらっしゃると思いました。

なにより、アプリ制作に絞っていてモールへの出展料とかそういう他の出費がないのがいいですね。MCBOOKの場合、今のところiPhoneだけですが、My本棚アプリというものがありまして、そこで購入した書籍を格納したり、新刊案内をしてくれますし。正直モール出店とか出展料の発生とかしんどいです。出店しただけで広告効果が生まれるとは考えられないです。モール型の電子書籍は私の中では、まだまだ先なんじゃないですかね。App StoreやAndroidがAndroid Marketやdocomo やAuのmarketに登録可能なことを考えると難しいような気がします。普通は囲い込みしたがりますけど、IT業界のモジュール化(分業制)の特性をよく捉えた事業展開をされていらっしゃるなと思いました。

一つ不満を言うとすれば使用可能なフォントが少なすぎることなのかな。明朝体やゴシック体の基本フォントの統一は仕方がないとしても、これでは問題だと思います。とりあえず見出しぐらいはちゃんとしたものにしたいのでここは画像で用意しようかなと思っております(ただそうするとデータ量が大幅にアップしてしまう訳ですが)。ポップ体、草書体、行書体、古印体、楷書体、手紙文字ぐらいは使えるようにして欲しい。何種類からか選べるという風にならないですかね。フォント会社だからこそ頑張って欲しかった。ほんと悩ましい問題ですね。電子書籍が紙と同じ表現力を持たない限り、紙を超えることはないでしょうし、こういった新しい分野は流行やデザイン、品質(機能)に敏い方が最初に飛びついてくるものだからです。AppleやSony、任天堂、ユニクロ、一流のプロダクトメーカーは流行、デザイン、品質を重視してブランディングを高めていきました。早く電子書籍もそうなるといいなと思っています。

スマートフォン用の電子書籍の魅力は、将来性もさることながら、3G回線を利用した市場の規模です。iPhoneではいまいち感じることはできませんでしたが、今年からdocomoやAuがスマートフォン事業に本格的に乗り出したことで、日本の携帯電話市場は今スマートフォン化が加速しています。データ通信料の増大や、料金、Buckupの問題は残るもののこの流れを食い止めることはできないでしょう。

 

何度かこのブログでも繰り返し述べていますが、将来性という意味でAndroidはMarketの共有化が可能であるという他にはない魅力を備えているわけです。Appleと同様に3割の手数料がとられますがそのお金は、Android Marketから回線業者に届く仕組みになっているわけです。iPhoneのように全部Appleの懐に入るわけではないのですね。税収の面でもAndroidの方が貢献するということになります。Amazonの書籍のeコマース事業でもそうですけど、こういう米国主導のさITサービスの全般に言えますが、日本人を対象にしたサービスであるにも関わらず日本に税収が全く入ってこないのは問題なんじゃないかなと思っております。消費によって経済に貢献することが出来ないわけですから、いくらAmazonで本を買っても日本経済には貢献出来ません。余談ですがウィキペディアでApp storeは、A日本のiモードを元に作られたとありまして、非常に興味深い内容が書かれていますのでよろしければご覧ください。

 

それでまあ、これを読まれているアマチュア作家の中にも電子書籍アプリ化事業に興味を持っていらっしゃる方もいらっしゃると思うのですね。前回もお伝えしていたと思うのですが、電子書籍アプリ化を希望されている著者さまは少なくないと見ています。弊社としても魅力的な作品をお持ちの方であれば電子書籍化して市場にどれだけの評価を受けるのかみてみたいと思っています。

いちおう事業として成立するかどうか、また電子書籍作家となることで著作業として成立するかどうかというのは、正直現状ではお約束はできないのですが、もし弊社とともに電子書籍アプリ事業に著者として参加してみたいという方がいらっしゃいましたら快く迎え入れる考えであることを表明しておきます。

そこで、新規電子書籍化事業として考えていることを書いておこうと思います。
 

  • 印税は販売価格の30%
  • 作者の費用負担はゼロで電子書籍化を行います。
  • 長編ではなく短編、中編作品(50~150枚)を中心に電子書籍化を考えているということ。短編を中心とした100~300円ぐらいの価格帯のレーベルをスタートさせる予定です。
  • 一作だけではなく、リリース後も継続して書き下ろし作品をご提供できる方。
  • 作品の採用に関して、装丁、販売価格、宣伝方法等に関しては弊社に一切を一任していただけること。
  • プロとしてのキャリアは問わないこと。むしろ完全なアマチュアの方を中心に考えていること。
  • 弊社の活動に協力していただける方。ブログなどで自作の宣伝が可能な方で、他の作品の書評を書いたり、また簡単な企画イベントに参加、協力等が可能な方。

などなどです。いちおう上記のような内容で4月~6月あたりに原稿募集の告知を行いたいと思っております。

※あくまで予定です。(これは正式発表ではありません)

作品の内容に関しては、とくにジャンルを指定するつもりはありませんが、上にも書きましたように短編もしくは中編の作品であることを前提として、大人の読者を納得させる内容であること、エンタメや大衆小説路線を中心に、ジュブナイル(児童文学系)やハーレクイン、ホラー、ミステリ、など充実させていきたいと思っています。そうですね。分かりやすく言うと、誰もが読んで得したなと思わせることが出来る作品。ゲラゲラ笑える内容でもOKですし、ハラハラドキドキがあるとなおいいですし、短い文量で泣かせてくれる作品だと嬉しいです。クオリティに関しては細かいことは言いませんが、純文学やBLやライトノベルなど一般受けしない内容はしばらくの間は見送らせていただこうと思っていますよ。出版業界に媚びることなく新しい電子書籍文化を創っていこうという気概のあるパワフルな方がきてくれるといいな思っています。電子書籍ですけど作家としての参入障壁はかなり低くなると思われます。お、これはチャンスと思われた方原稿のご用意をお願いします。(もちろん作品審査はさせていただきますよ) それからスマートフォンを持っていない方の投稿はあらかじめご遠慮とさせていただく予定ですので、あらかじめご了承ください。

とりあえずそんなこんなです^^ また詳報が入り次第、ここに書かせていただく予定です。乞うご期待!

 

※備考  Wikipediaでapp storeの登録アプリ数が一法人あたり1000個までとありました。そうですねこれは電子書籍事業を進める上でネックになりますね。弊社の制作アプリが1000個に到達するのはまだまだ先のことと思われますが、継続していけば必ず直面する問題だと思われます。いちおう売上げ順に入れ替えを行うこと、期間限定などを上手く利用すること、それから契約に関して、一作品毎ではなく、年間契約のようにするといいのかなと思っています。年間契約に関しては温めていたアイデアなんですが、もしかしたら連載誌のような状況が生まれるかもしれませんね。継続課金サービスも視野に入れつつ、どうしようかこれから考えていこうと思っております。

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2 Comments

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コメントをどうぞ

 

 
  1. さとうしお

    2011年2月27日 at 8:34 PM

    はじめまして、こんばんは。
    アマチュア物書きの一人の『さとうしお』といいます。
    詩を書いています。
    この
    『詩を書いています』
    という言葉だけで、出版関係の方をげんなりさせることを承知で書きます。
    ええ。
    詩を書いてます。

    ……。
    ぼくはですね。
    はっきり言って、単純に、この記事に心躍りました。
    ええ。
    今はそれだけにしておきます。

    4〜6月の原稿募集、ぜひぜひぜひ参加させていただきたいと思ってます。

     
  2. kaedebooks

    2011年2月28日 at 10:02 AM

    さとうしおさま
    コメントありがとうございます。
    激励のお言葉なによりの励みになります。

    >という言葉だけで、出版関係の方をげんなりさせることを承知で書きます。

    出版関係の方みんなそう思っていらっしゃるか分かりませんが、私個人のことを申し上げますと作品と読者の方をみるようにしています。読者が求めているような内容だったり、読者が面白いと思ってもらえる詩であれば採用する可能性がまったくないとは言えません。あくまで作品をみて判断させていただくつもりです。
    ただ生憎のところ詩は募集予定になく、ご投稿されるときには小説の方をお送りください。なにとぞご理解いただきたく思います。

    選考にあたりましては、面白い、読みやすい、普遍的である、ことを重視させて
    いただこうかなと思っています。作者が得意とするジャンルで短篇をそつなく書ける技量と、他にはない魅力がその作品にあるかどうかを、言い換えるならばお金を払って良かったと思える作品であるかを重視したいと思っています。